2025年の占星術による考察 by 淡の間
2020年以降、私たちの意識は「何に価値を見出すか」という部分で多角的に変容して行ったことと思います。そこから数年を経た2025年のテーマを一言でいうならば「バトンタッチ」と「原点回帰」です。
ここから先の時代は、自立した個を尊重していく時代です。そこに向けての準備を促す、経過の時期が2025年です。
(※2026年に向けた中継地点のような年こと2025年の考察は昨年寄稿した2024年の考察と合わせて読んでいただけますと幸いです。ちなみに、宇宙の影響は天地照合の関係性。エメラルドタブレットに記された一節、“as above so below(上なるものは下なるものの如し)”に従えば、宇宙の大きな動きは地上に住む私たちの人生観、または社会構造の変容へと照合するように大きく影響を与えるということ。
▽2024年の考察
https://thingsthatmatter.jp/blogs/matter/ttm-2024yearly-horoscope )
2025年から2026年にかけて土星以降の天体(もとい社会構造と私たちの運命に対して変容の作用をもたらす影響を持つもの)が行ったり来たりしながら進行します。
特に上半期は動きがとても賑やか。海王星が3月31日、土星が5月26日、木星が6月10日、天王星が7月7日に移動しますのでこの時期の前後は社会的にも驚きのニュースが生まれやすい傾向があると予想することができます。
ここ数年の間に向き合っていた様々な流れをブラッシュアップさせたり、文字通り“革命的”な動きを助長させながら世界全体の歪んだ構造にメスを入れる他、おおむね2010年代からの動きが精算されながら新しい動きに向かっていくことや、今を生きる人々の人生それぞれが純粋な生き方を原点回帰させていく動きを促すでしょう。
移動する天体の一つ、革命の星・天王星の影響を考えてみましょう。
2025年7月7日にふたご座エリアに移動する時、まるで重たい岩のようなものが一気に動くように精神的な足枷が急に外れる体感が生まれます。2024年11月20日に本格移動した冥王星の影響が目に見えて分かりやすくなるかもしれません。
今まで「何言っているか分かんない」と思っていたことが耳に入ってきたり、全く食わず嫌いしていたものが急に好きになったり。自分の先を走っていく孤軍奮闘していた先見者たちとの周波数が合う、流れが噛み合っていく。
まるでテレパシー的というか、周知する情報のグレードや関わる人たちの関係性、生きる環境にも変化が現れるかもしれません。その時になれば分かる「つまりそういうことか!」というAHA体験。
もっと分かりやすく教えてよ!と思うかもしれませんが、仕方ないことなのです。噛み合う時期が来るのを待ちましょう。
天王星といえば、2018年からおうし座エリアを通過しながらモノの価値・所有の必要性そのものの認識をアップデートさせていましたが、2025年でようやく最後の仕上げに入ろうとしています。
この数年の物価高の影響によって値段を上げたはいいものの、後に引けない企業や売り手が多く現れるなど、引き続きモノの本質的な価値観が大きく変動していく流れが。そのなかで値段が高かったり、名ばかりのブランドネームが付いていれば大量に売れるわけでもないということはすでに多くの人が気がついているはず。結局最後は人同士。ハート(心)の部分が一番大切ということに。
結局どれだけ素晴らしいものを生み出したとしても、それがどれだけ先進的かつ革新的だとしても最終的にはハート(心)の部分で感動できるかどうかが重要なのです。
人情や心理に響くような共感&体験型の売り方にシフトしていくことがビジネスチャンスに繋がります。恋愛も同じで、コロナ禍移行に普及したバーチャルな体験だけでなく、現場のリアルな経験がふたたび重視されていくかも。懐かしいを越えてダサさのギリギリを攻めていくエモーショナルなものが引き続き刺さる傾向に。
他には拡大と発展、然るべき評価をもたらす星・木星が移動して蟹座エリアを通過していきますが、喜ばしい影響だと例年よりも「子」を授かる人や、「家族」または「家」との出会いに恵まれそうです。しかし蟹座は安心と保守的な性質でもあるため、いろいろな意味で守りの傾向が強くなるだけでなく、不確定要素や未知のものを排除する傾向が現れやすくなるかもしれません。
また、社会の課題を示す土星は少々居心地が悪い位置に移行することから、不完全燃焼な感情や行動が現れやすくなります。同時に、土星に重なる海王星は物事との境界線を曖昧にさせる星。現実との境目、モラルと理性 / 正義と支配欲の分別がつきづらくなる傾向も見えます。
よって、2025年は全体を通して2026年に向けた中継地点的な作用が多く見られるほか、行き場のないエネルギーが途中で爆発することなどがあるかもしれません。
例えばどれだけ煮え切らない・あるいは不完全燃焼なことがあったとしても、急りから生まれる行動はよい結果を結ばないでしょう。2013年頃からの動きに成長が見られたり、ここ数年の修行の成果が発揮されて急に成績を伸ばす人もいるでしょうからまずはここ10〜12年ほどのご自分の動きを見直してみましょう。
THINGS THAT MATTERらしい視点でも考えてみますと、私たちの身体には“チャクラ”というエネルギーセンターが7つ存在しているのですが、2025年は1チャクラという、ベース(土台)を整えることが重要な年です。家や生活面のこと、足固め的な土台の構築に励んでご自分の生活の安心をしっかり守ることを意識してみてください。
本物の地方創生、ローカル回帰などにも注目が。どこに住むのが良いかは自分の「肚」が知っているから木星蟹座期にもリンクしてくるテーマですね。第1チャクラは生命の本質であり土台の部分。人間の本能的な行為に「原点回帰」してみることなども挙げられます。愛する人と素直に愛し合う時間を楽しんでください。
メディアや情報戦略、報道のあり方にも変革が訪れています。かつての虚構や偏向報道、同調圧力が通用しなくなったのは他ならない消費者サイドの目(嗅覚)が肥えてきたから。
それを良く捉えれば“多様性”と言えますが、様々な方向性の違いが至るところに現れると同時に思想の分断も生まれやすくなります。それもまた多くの民意、思想の多様化ということでしょうか。多様性だとか自由の尊重だとか風の時代と煽られながら数年が経ちました。“みんなイキイキ輝く自由な時代”はまだほど遠く、当面は社会構造そのものが不安定なまま変容していくからこそ、新しい時代の始まりは保守的な思想が支持される傾向が見えます。難しい問題です。
そもそも“風”は目に見えないもの。何を考え、誰と関わるか。どんな情報に触れながら進むか。一つ一つの行動を変えながら先に進むことで目の前に広がるステージが変わっていきます。
ここから先はレッテルや肩書きという鎧が通用しない明け透けな世界です。試されるのは「嗅覚」。私たちが持つ本能的な直感のこと。どこで何をしていても届く人には届きます。本当の熱を持って生きていれば、必ず。
かつて“これがあれば大丈夫”というお守りのような肩書き、扇動や圧力、負荷が全く通用しなくなることから、様々な業界での上位互換や下克上、セオリーを無視したムーブメントが起こっていくでしょう。
山羊座冥王星時代、声高に叫ばれていた自分の使命というキーワードや、肩書きや持ち物によるマウント行為はあまり意味を為さなくなります。一人一人のレベルに合わせた“適した頑張り方”をそれぞれが受け入れましょう。隣の人、親、友人。皆違う。あなたも違う。そう、当たり前のことです。
星の動きが私たちの生き方に作用することで歴史が繰り返されるとするならば、先の世界大戦や主権者の交代の時期に関わるようなタイミングも今の社会天体の動きから読めることです。今までにないほど一気に大きく変化していくことから、いつ・どこで・何が変わっていくか、想像もつかない目まぐるしい動きの中で歴史の生き字引になるのが令和の世を生きる私たち。
例えば、特にAIを含むテクノロジーの分野、人権意識含め働き方、政治に関わる分野、あらゆる金銭的な価値など、かつての常識的なことがすっかり様変わりしていくでしょう。予想もつかない戦略でスターダムにのしあがっていく人たちや、常識外れのセオリーで成功を収める人たちもたくさん出てきそうです。
さて、先の傾向や情勢を考察してみて「とても良いこと」だと感じるでしょうか?あるいは「よく分からなくて不安」または「怖い」と感じるでしょうか?今の素直な気持ちを感じてみてください。あなたの心の直感を大切にしてください。
人智学者のルドルフ・シュタイナーは人間について「最も嗅覚が麻痺している生物」と説明しています。どんなに直感的に違和感を感じたりしても、防衛行為としてその感覚を麻痺させてその場の環境へと順応してしまう生き物なのだと。
繰り返される情報や少し声の大きい主張を聞いていると、蝕まれるように自分の考えと同調していくことがあります。そのうちに自己と他者の思想の境界線が曖昧になり、小さな声よりも大きな声の方に、自分の直感よりも分かりやすい方向へと無意識のうちに順応してしまうのです。
このように、まずは変化よりも安心を求め、珍しいことや新しいことに対しては不安や抵抗を感じやすい私たちに対し、冥王星は数年かけて直感的本能の呼び戻しと変化に対する免疫を作ろうとします。それはいわゆる本質的な自分軸の構築を支えてくれていると考えることもできます。
自分軸というのは、私の考えでは誰か(自分以外の何ものか)に委ねたままになっている人生の主導権や選択権を自分のもとに戻すことです。
冥王星は破壊と再生・受難の中で生き方そのものを刷新させていく星。何かを失う代わりに何か新しいものを与える星。山羊座のエリアを冥王星が通過した2008年から2024年にかけて、個人単位から世界規模の様子まで本当に多くのことが変わっていきました。
中でも象徴的なのは2019年後半から先駆けて2020年から始まった数年間。いわゆるコロナ渦中の数年間で政治や国際情勢に対して現れたこと。ここで私たちは「頑張ってどうにかなること」の限界、現実的な天井、すでに形骸化している構造が見えたのではないでしょうか。
頑張らなくてもできること。頑張らないとどうにかならないこと。頑張り続けるために何かを犠牲にしていることなど、様々なところから綻びや問題点、悲痛な叫びが上がるようになりました。
中でも物理的なフォローが必要な部分(社会のインフラや交通面など)や権力構造、財政的な影響など、冥王星が通った道に転がる古い構造の屍を拾うようにあらゆる部分を社会的に見直す余地があることを、置き土産のように受け取るのが水瓶座冥王星期の前半(2025〜2029年頃)の社会問題になりそうです。
ここから先、冥王星は“風”が管轄するテクノロジーや科学・新たな文明の飛躍のみならず、目に見えない一人一人の精神性に対してOSをアップデートさせるが如く刷新させていくのですが、まだ始まったばかりのこの影響はこれから約20年間続いていきます。
かつての限界値や常識を超えていくような「あり得ない」ことがたくさん起こります。食わず嫌いや正常バイアスを手放していくことが今後の世の中をサバイブしていくためには必要なアクションです。
しかし、それも“西洋占星術の視点で考えれば”という話ですし、じわじわと数年をかけて体感が現れるものですから、少しずつご自分を新しい時代のフォーマットに順応させていけばよいのです。
すぐに結果に現れないことや周囲と比較して焦る必要は全くありません。一人一人の変化の伸び代やスピードが違うことも尊重しながら進んでいくのがいいし、そもそもみんな違ってみんないい。それでいいのです。
そんな一人一人の安心をあらためて確かめ合いながら、やさしい気持ちで変化を乗り越える一年にできたら良いですね。
2024年11月 淡の間
>>淡の間diaryとコラボ商品はこちら
>>商品一覧はこちら