MY SENSE #07
ヨガインストラクター
Hiroko
2026.04.10
身体の土台を整え、心に嘘をつかない選択を。
ヨガインストラクター / 美尻トレーナー HIROKOさん
【自分らしさを大切にする】ヨガの哲学と解剖学的な視点から、現代女性の身体と心に向き合うHIROKOさん。10年間の専業主婦生活を経て、自らのコンプレックスを「ポテンシャル」へと変えてきた彼女。現在は、美尻トレーナー・ヨガインストラクターとして、身体の健康を作りながらも多くの女性の自己肯定感を高め、自分らしくいられるための土台作りをサポートしています。
同じく一人の母として、そしてクリエイターとして日々を駆け抜けるTHINGS THAT MATTERディレクター・武笠綾子が、HIROKOさんのこれまでの歩み、身体を育てることで得られる精神の安定、そこで多忙な日常の中で「心地よいバランス」を保つための考え方について語り合います。
01. 「役目が終わる」予感から始まった、自分軸の再構築
Q. ヨガや現在の活動を始めたきっかけについて、これまでの歩みと併せて教えていただけますか?
出産前は美容業界やPRの仕事などをしていましたが、当時はどこか「外側からの見え方」を優先して、自分軸ではないところで生きていたように思います。結婚・出産を機に一度仕事から離れ、約10年間は専業主婦として家庭に専念してきました。当時は一人で家事育児をこなす毎日でしたが、私自身は「ワンオペ」という言葉は使いたくないと思っていて。専業主婦ならやるしかないんだから、と割り切ってその時間を楽しんでいましたね。転機が訪れたのは、下の子が幼稚園を卒業するタイミングでした。「あ、暇になってくるな」とふと感じたんです。子どもたちが自分の力で歩き始め、私を必要としなくなる。「私の役目が終わるかもしれない」という予感がしました。それまでも趣味でホットヨガなどはやっていましたが、時間ができたことで、”自分の好きなことをゆっくり始めてみたい、資格を取ってみよう”と思い立ったのが2022年のことでした。
学び始めてみると、ヨガの哲学や解剖学が面白くて、すっかりハマってしまって。かつて高校のアスリート科で学んでいた知識が、今の感覚と一本の線で繋がったような感覚がありました。自分が20代の頃にいかに「自分軸ではないところ」で生きていたかを痛感し、これを仕事として突き詰めていきたいと思うようになったんです。
02. 「お尻」を育てることは、意志を育てること
Q. 続いて、お尻についても詳しく伺いたいです。数あるトレーニングの中でも、なぜ「お尻」にフォーカスされているのでしょうか?
実は私自身、お尻が全くないことが強いコンプレックスだったんです。痩せ型でお肉がなくて、横から見るとストーンと平らなタイプ。ヨガを長く続けていても、そこだけはどうしても変わらなかった。お尻の筋肉(殿筋)を使わずに、無意識に前足の力で動いてしまっていたんです。そこで「自分の体で実験してみよう」と、パーソナルトレーニングでお尻を育てることに没頭しました。性別や年齢、キャリアもバラバラなトレーナーさんたちに代わる代わる教わり、自分に合うアプローチを模索して。そうして解剖学的な理論に基づいたトレーニングとお尻の筋肉が繋がったとき、自分でも驚くほど身体が変わったんです。
お尻って、見た目だけの話に思われがちですが、実はやると女性としての自己肯定感がすごく上がるんですよ。なんなら、お胸より上がる。胸は(パットなどを)入れることもできますが、お尻はまだ入れられないし、自分の努力で育てるしかない。
03. コンプレックスを「ポテンシャル」に塗り替える
Q. 私は逆に、昔からお尻が大きいことがコンプレックスだったんです。骨盤が広いのか、どうしても目立ってしまうのが嫌で……。トレーニングで小さくすることはできるのでしょうか?
それはまず、価値観から変えていったほうがいいかもしれませんね。日本では「痩せていて、色が白くて細い」ことが美徳とされがちですが、海外に目を向ければ、ケンダル・ジェンナーやカイリー・ジェンナーのように、健康的でしっかりとしたお尻を持つ女性たちが堂々と輝いています。彼女たちは太陽の下でヘルシーに過ごし、自分の身体をポジティブに捉えていますよね。
実はお尻が大きいということは、それだけ「ポテンシャル」があるということなんです。お尻が目立つのが嫌なのは、おそらく筋力が足りずに少し「垂れて」しまっているから。それをトレーニングでグッと引き上げれば、見え方は劇的に変わります。小さくするのではなく、本来の位置に持っていく。そうすれば、それはコンプレックスではなく、あなたの魅力的な武器になります。
「細くなければいけない」という古い価値観に縛られるのではなく、自分の持っている個性をどう引き上げ、ヘルシーに見せるか。トレーニングを通じて、見た目だけでなく、その「価値観の転換」を伝えていきたいと思っています。引き上がったお尻と、太ももにスッと線が入るような健康的な身体。その方が、絶対にヘルシーで可愛いですよ。
04. 思考の前に、まずは「身体」を感じる
Q. トレーニングと心のバランスについて、HIROKOさんはどのように考えていらっしゃいますか?
私は、人間には「体から入る人」と「メンタルから入る人」がいると考えています。私自身は完全に前者。体を隅々まで動かした後に初めて、「あ、私今日調子いいな」と心の状態が読めるんです。今の時代、メンタルから整えようとして瞑想に挑戦する方も多いですが、頭の中が騒がしくて集中できないこともありますよね。そういう人こそ、まずは身体を動かしてほしいんです。「今、身体のどこで何を感じているか」を脳に分からせる作業、いわゆる「ソマティック」なアプローチが大切です。
例えば、右手を上げてくださいと言われて上げる。でも、上げている「感覚」がない人が意外と多いんです。お尻のトレーニングも同じで、使っている感覚がないまま動かすのはただの屈伸運動。だから私はしつこいくらい聞きます。「今どこに来てますか?」「嫌ですか?」「心地いいですか?」。そうやって意識を集中させて、自分の身体と対話する。
武笠さんも「動くとクリエイションのスイッチが入る」とおっしゃっていましたが、まさにその通りで。激しく動く「動」の時間と、その後のスッキリとした状態で自分を見つめる「静」の時間。この「陰と陽」がセットであることで、初めて心身のバランスが整い、内側からエネルギーが湧いてくるのだと思います。
05. MY SENSE:救いとしての「バランス」
Q. 最後に、この連載共通の質問です。HIROKOさんが生きていく中で、一番大切にしている「感覚」は何ですか?
私が一番大事にしているのは「バランス」です。ヨガや中医学の考え方に「陰陽」がありますが、私はあのマークがすごく好きなんです。光の中に小さな闇があり、闇の中に光がある。陽が極まると陰に転ずる. ずっとハッピーで明るいだけの人なんていなくて、どこかで必ずバランスを取っている。そのことを理解しているだけで、すごく救われるんですよね。
それは、お母さんとしての私、仕事をする私、一人の女性としての私、すべてにおいて言えることです。仕事で5レッスン連続してヘトヘトになった日は、無理して「完璧なお母さん」を演じません。子供たちには正直に「今日は仕事で疲れちゃったから、外に食べに行くかホットケーキでいい?」とはっきり伝えます。
自分に鞭を打って無理をするのではなく、今の自分の状態を隠さずに、嘘をつかずに選択すること。人付き合いも同じです。この人といると自分らしくいられないなと感じる時は、喧嘩をするのではなく、嘘をつかずにそっと距離を置く。
いくつもの役割や「顔」を持っていても、その中心にある軸はすべて自分自身です。身体を整え、自分の感覚に嘘をつかない選択を積み重ねることで、自分にとっての心地よい「真ん中」を見つけていきたいと思っています。

身体の土台を整えることで、心の軸さえもしなやかに更新し続けているHIROKOさん。「育てる」という実感を伴うそのプロセスは、単なるボディメイクを超えて、自分自身を信頼するための確かな拠り所となっていく。
身体の声に耳を澄ませ、湧き上がる「嫌だ」も「心地よい」も等しく受け入れること。その素直な感覚の積み重ねが、日常の中で「自分に嘘をつかない」という健やかなバランスを生む力に変わっていくのだろう。
母として、トレーナーとして、いくつもの役割を往復しながらも、その中心にある「自分」という軸を何より大切にする彼女の歩み。それは、自らの手で可能性を育み、ヘルシーに、飾らずに人生を謳歌するための、力強くも美しいお手本のように感じられた。
今回の取材では3月発売の新作【SENSE17 Chaos】コレクションより
ブランドロゴ入りのオリジナルのトーションレースを使用したジャージ素材のパンツと、
セットアップで着られるブルゾンを着用いただきました。
ブルゾンは、セットアップで着こなせばスポーティーに。また、レザーのショートパンツと合わせればモードな印象へと様変わりする、一着でコーディネートの幅を広げてくれるアイテムです。

身長171cm
▶TORCHON LACE SWITCHING ZIP-UP BLOUSON
▶TORCHON LACE SWITCHING PANTS
さらりとした清涼感のあるハイゲージニットは、一枚着としてはもちろん、インナーとしてスタイリングのアクセントにも活躍します。
今季らしい「こなれ感」を演出するバミューダパンツも、ワードローブに欠かせないマストアイテム。どちらも着回し力の高い、万能なラインナップです。

▶FAUX LEATHER BERMUDA PANTS
▶AMERICAN SLEEVE KNIT POLO
【プロフィール】
Hiroko @96_hrk
2022年からヨガインストラクターとして都内を中心に活動。スタジオレッスンのほか、オンラインレッスンやイベント、ワークショップなど幅広く展開している。
女性の身体の変化やライフステージに寄り添うヨガを大切にし、身体を整えるヨガやヒップトレーニングなどを通して、日常の中で実践できるボディメイクやセルフケアを提案。
また、東洋医学や身体観の学びも取り入れながら、身体と心を整えるライフスタイルを発信している。
子育てをしながら活動する女性としての視点も大切にし、女性が自分らしく心地よく生きるための身体づくりのサポートを行っている。
2020年 RYT200取得
2025年 美尻ヨガインストラクター資格取得