淡の間と武笠綾子の
感覚問答
#01 出会い~使命編

2021.11.19
淡の間と武笠綾子の<br>感覚問答<br>#01 出会い~使命編

  

一人一人が持っている「感覚」という道具を通して体感するこの世界。
見えない意識と、心と、現実が交差するあわいの中で、理想を探求し続ける二人が届けるコラム。
「淡の間と武笠綾子の感覚問答」どうぞお付き合いください。

 

出会い


淡の間「この度はブランドデビューおめでとうございます。私たちは出会って一年以上になりますよね。一番最初のわたしの印象はどんなものだったか覚えていますか?」


武笠「はじめGINZAでおすすめの本を3冊紹介されていたのが印象的だったんです。シュタイナーの『星と人間』と『古事記』と、小説…」

淡の間「ああ!江國香織さんの『神様のボート』を紹介してましたね。」

武笠「そうです!ちょうどコロナの時期で時間があったのでまとめて読書をしたい時期だったところで、紹介文にすごく惹かれました。結局内容がすっごい難しくて、全然よく分からずじまいですけど(笑)とにかくその頃に見えない世界のことが気になり始め、比例するように目まぐるしく世界の状況が変わっていく中で改めて自分の使命とは何か?何のために生まれてきて一体何ができるんだろうと考えていた時、タイムリーに淡の間さんに出会って、ご連絡してホロスコープを読んでもらって、自分の性質を少しずつ理解できたことは嬉しかったですね。今、私が行っていることが『使命』だとしたら、そこに辿り着くまでにはとても時間がかかったんですけど、だからこそこれでいいんだと楽になったというか、答え合わせができたというか、とにかく今の自分が心地良いんです」

 

「魂のこよみ」 ルドルフ・シュタイナー著、高橋巖翻訳 ちくま文庫/「神智学」 ルドルフ・シュタイナー著、高橋巖翻訳 ちくま学芸文庫/「星と人間」 ルドルフ・シュタイナー著、西川隆範編訳、風涛社/「魂について」 ルドルフ・シュタイナー著、高橋巖訳、春秋社

 

淡の間「それは嬉しい!ありがとうございます。素晴らしいことだと思います」

武笠「それから毎日Instagramでストーリーズで“1日の流れ“チェックしてますよ。毎日欠かさず行うのってすごく大変ですよね。(※淡の間が個人のInstagramで毎朝更新している星予報のこと)
毎日チェックしているとその日の天体の動きと自分の感情がリンクしてて、とても興味深くて、それからは星や月の動き、新月満月の巡りというのを意識するようになったんです。今までは全く気に留めずそもそも月を見ることなんてなかったんですけど、今では人間と天体の関係性など、全てが繋がっていることに気が付いたので更に色んなことに興味が湧いたという感じです」

淡の間「ありがとうございます。自分が自然の一部の中にあるとか、今まで気にも留めていなかった日常の点と点が繋がっていくきっかけがあると、世界の解像度がぐっとあがりますよね。」

武笠「そうですね~。視点が変わるというか…すぐ側にあるものを見てなかったんだなと気が付きました。でもおかげで世界が広がったので更に色んなことを知っていきたいなと思い、淡の間さんにお声がけをしたんです。これからこのコーナーを通してより詳しく様々なことを学んでいきたいです」

淡の間「ありがとうございます!そう言えばさっき武笠さんが何気無く『使命』って言葉を使われたじゃないですか。その点について今日はお話ししたいです」

武笠「はい。」

 

 


命の使い方


淡の間「使命って字の通り『命を使う』ってことですけど、私のところにご相談に来られる方にとっての『使命』ということと私の認識にズレがあります。ものすごく大きな出来事とか大きな役割とかを果たすことと捉えている方が多すぎる。社会のために一体自分は何ができるのかとか、どんな功績を残せるのかみたいな意味合いで「使命とはものすごく壮大なでっかい偉業」みたいなことをイメージする人が多いんですよね。個人的には気持ちは分かるんですけど、あまり大袈裟に考えすぎなくてもいいのにと思います。人は私が専門にしている西洋占星術って結構いろんなことがわかる情報翻訳みたいなものなので、適している仕事だとか、人格として目指す方向なんかを読み解くこともできるんですけども、実際のところ『使命』って「授かった命をいかにして受け入れて、どのように使うか」ということだから、その人がそのままでいることがまず第一だと思うんですよね。まずそこが大義名分というか、何事においても基本になりますし、その人本来の姿に負荷を掛けていた状態で「偉業を成し遂げる」ということを目指して自分を犠牲にしていたら本末転倒。本質的な意味合いでの『使命』とは全くかけ離れたものになっちゃいます。」

 

武笠「なるほど。」

淡の間「例えば、デザイナーになるとかプロ野球選手になるとか、意外と具体的な対象ではないと思うんです。最終的には結果論というか。(笑)職業とかパートナーシップとか環境など、それぞれ最適なものたちの周波数がその時々で同調して引き寄せられていくみたいな感じかも。もっとシンプルでいいんです。今の自分ではない何かにならなきゃいけないと思ってたとか、何かを成し遂げなきゃいけないと思ってるから辛いんだよ、ということに気がついて欲しい。『わたしのままで生きる』って思っている以上にとってもシンプルなので、引き算が必要です。だって、一人一人が持っている本質の部分には、それぞれのあるがままの望みがあるはずなのに、色々余計なものをくっつけすぎてるから大事なところが見えてこないんですよ。力が入っていると余計に視界が狭くなっちゃうし」

武笠「はいはいはいはい。」

淡の間「要は『今日は自分の好きなものを食べよう、心惹かれる色を纏おう、聴きたいと思っていた音に出会えて嬉しい』とか、そういうことの積み重ねなんです。自分の心の奥の方にある、なんとなく思い浮かんだ直感を大切にすること。
なんとなく思いつく事ってあるじゃないですか?今日なんとなくあの人から連絡が来そうな気がするとか、なんだか最近ピンク色が気になるみたいなこととか、最近なんかこの音楽が気になるんだよねという、直感が先にあって実際に行動した結果がハマると自分の思いが形になったような感覚になりませんか?」

武笠「なるほど。はい、なりますね。」

淡の間「その時、直感と物質的な感覚が重なって『経験』になります。その経験が『魂の栄養』になるんですよ。言うなれば、命の養分みたいなものだと思います。本当は失敗とか成功というものはなくて、人生における経験は全て生きるための栄養なんですよ。」

武笠「え~素敵~!!!!」

 

 


淡の間「例えばこんな経験ありませんか?最近ピンクが気になると思ってピンクを着てみても、なんか似合わなかったという時。これこそが『直感に従って行動し、感覚で味わって経験する事』なんです。ピンクにもいっぱい種類があるから何が似合うかというのも人それぞれ違うのに、せっかくチャレンジしたのになんか違うな~と思って「失敗した、ピンク似合わなかった」って終わっちゃうのは勿体無い。また別の時に試してみようかなって思えたらいいんです。人生で起こる全ての体験を、失敗とか成功じゃなくて『経験値』って考えることでその人の奥底の魂の部分である『本質の源』の栄養になります。それが自信や責任に繋がっていき、自分のいのちの軸をたくましくしていくんです。
失敗したから『自分はダメ』になっちゃうと、悲しい。また別の機会があったら試そうかな?ってそれだけでいい。そうやって経験値というものが、どんどん栄養になってその人の源、いわゆる軸を太くしていくのだとしたら、恐れずにまずは行動して体験しないともったいないじゃないですか。それこそが『命を使う』ということですよね。何かになれなかったから終わりでもないし、何かにならなきゃというわけでもない。自分を生きる、ただそれだけ。あまりにもシンプルすぎて抵抗すら感じるかもしれません。けれども、それが結果的に『使命』に繋がっていくんだと思うんです。」

武笠「なるほど…。私は生まれてからずっと『感覚を感じる』っていうことをあんまりしてこなかったなって思っています。だんだん成長して大人になって、恐れから守るようにバリアを張ったり、枠にはめて物事を捉えたり、それこそピンクを着てみたけれど失敗したから自分には似合わないんだとか、そういう思い込みみたいなものがどんどん増えていってしまっていた気がします。淡の間さんに出会って『元の自分に戻る』という概念に出会いましたが、その感じはめちゃくちゃフィットしましたね。」

淡の間「よかったです。」

 

 


武笠「元に戻る、引き算してみる、少しずつ余計な枠を外して、感じた事を素直に吸収していいのだと許可する、なるべく素直に…なるほど。魂の栄養と言ってましたが、その表現はすごくフィットしています。元に戻ればいいのだと知ってからは頭が少し柔らかくなったというか…楽になっています。」

淡の間「あ~よかったです~。」

武笠「受け入れるというのがなかなか難しかったですが、この経験も全て繋がっていると知る事で、目の前の現象が味方に変わりました。そしたらすごく楽になれたので、他にも色々足し算型で頑張り過ぎている方が多いから、思い切って引き算してみていいんだよっていうことをお伝えしたいですよね。」

淡の間「そうですね。目の前に広がっていることは全てメッセージだから、そこも理解できるとより良いですね。今のわたしたちが生きている社会って、物質社会&資本主義の物質社会なので、なにかを持ってこそ、成し遂げてこそみたいな、
物とか結果こそがステータスだから、どうしても “足し算至上主義” ですよね。この社会で生きている以上、全否定することもできないんですけれど、あまりにもそこが強すぎると『ないとダメ』ってなりがちで、他者と比較して持っていない自分は劣っているという優劣意識が過剰になってしまうんですよね。」

武笠「なるほど。それは『ない』に意識を向けてしまうっていうことですよね。」

淡の間「そうそうそう。『あってこそ全て』みたいなことを押し出している現代社会だから、持ってない自分はダメだ、持っている人は素晴らしいとまた足し算しちゃう。学歴とかあるに越したことはないけれども、要はその人の望みではない、抑圧が強過ぎると苦しくなる。本来の源の部分は、決めてきたことをただ経験できればいいんですよ、すごいシンプルに言うと。決めてきたことというのも本当は知っているはずだから、引き算して自分の思いのままに生きていく中で思い出せるのが一番素晴らしいですね。何かにならなきゃいけないという思いに囚われ過ぎてしまうと『今の自分ではない何かにならなきゃいけない=ナチュラルに自分を否定すること』になっちゃうんですよね。そうなってくると一層生きづらさが出てくると。優劣意識と結果主義、っていうんですかね、そこが強過ぎると使命っていうものがますます重いものになってきてしまう。例えるならば、道を歩く時とか山を登る時の荷物はなるべく軽い方がいいけれども、乗り越えるためのノウハウはあった方がいいですよね。物には変えられない経験値を重ねながら進んでいくものだし。
人生も同じですが、必要以上に何かがないと不安という人はその分重装備になっちゃって疲れますが、それはノウハウとは別のものだと思います。」

武笠「そうですね~」

 

 


淡の間「確かに山の頂上に登った時に、何か物があれば一層楽しめるかもしれないですね。一緒に喜んでくれる人もいたら嬉しいけれど、精一杯自分の感覚を使いながら挑戦したその人の経験は物に変えられないじゃないですか。感覚を使って積み重ねていく経験を目一杯楽しむこと、それが人生。大きく捉えずに『使命』っていうのは、そういう体験の積み重ねの向こう側にあるものだと思います。」

武笠「なるほど~。では、感覚とは…?」

 

02へ続く

 

淡の間(あわいのま)

1991年生まれ。西洋占星術やヨーロッパ発祥の自然療法などを用いてオリジナルのカウンセリングや講座を展開している。instagramのストーリーを活用して「1日の流れ」を毎日更新中。活動を行う上で掲げた信念は自分の運命を知ること。受け入れてそのままに生きること。バランスが整えられた心・体・魂の上に、正常な衣・食・住が成り立つのだと体現すること毎月満月の日にginzamag.com にて公開している「3 minutes reading 」も好評。

instagram: @aynoma.jp

 

 

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