2026年の占星術による考察 by淡の間
2026年の考察
世界が新しい骨格に組み替わる、乳海攪拌の物語のような時間
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この文章を読んでいるあなたへ。
『あなたは今、本当の自分を生きていますか?』という問いを投げかけたいと思います。
この言葉を受けてどんな感情や思い、ビジョンが浮かんでくるでしょうか。
ここで、長い間心の隅に押し込めていた「本当の衝動」や「誰にも言えなかった願い」が浮かんでくる人ほど、2026年は強い脱皮の時間になるでしょう。
2026年の星模様は、まるで世界と私たちの内側を同時に撹拌しながら猛スピードで新しい骨格を組み替えていくような動きを示しています。2025年が「シュミレーションを兼ねた原点回帰を促す年」だとしたら、2026年は「リセット&本格スタートの年」。
2025年が土壌を耕し、2026年はいよいよその土壌をもとに生命が動き出すと、固く閉じていた第二チャクラにも深く作用します。
第2チャクラは性・創造力・欲求・自己価値の領域で、このエネルギーが閉じていると、人を羨んだり過度に自信が持てなかったり、喜びを感じにくくなったり、嬉しいことや幸せなことに抵抗を感じたり、(性や恋愛、子どもに関わることに対する抵抗や課題もあったり)、自己評価と自己肯定のバランスが釣り合わず自我を拗らせてしまうことがあるのですが、来年はこの閉じ切った第2チャクラをこじ開けて正常化させるための促しが起こり、強烈に活性化します。
インナーチャイルドと呼ばれる子ども時代からの思考の癖をもとに戻し、健康的な自己信頼をとりもどすきっかけも生まれそうです。
誰かの期待から離れる勇気を持つこと、自分の欲求を正直に認めること、時には必要な孤独を選べる強さが芽生える、愛は恐れではなく喜び、愛は求めるものではなく内側からどんどん溢れていくことを知ること。
隠してきた欲、嫉妬、承認されたいという願い、そして「本当はこう生きたい」という生命の熱が私たちの内側から浮かびあがり、強い葛藤を体験する人もいるかもしれません。
この話は、どこかの選ばれた特別な誰かの話をしているのではなく、そこのあなたもそして私も内側からたぎるような生命の熱を思い出す動きが誰にでも起こりうる影響です。
自信がないとかうまくいかなかったらどうしようとか、さまざまな言い訳をして逃れてきた人生の芯にもう一度火を灯すように「本当の自分はどんなふうに生きたいか」を問いてみてください。
2025年が「シュミレーションを兼ねた原点回帰を促す年」だとしたら、2026年は「リセット&本格スタートの年」だと冒頭で語りました。
土星、天王星、海王星と、太陽系の重鎮で社会構造や人間の精神的な構造のアップデートを強制的に促す天体たちが一気に足並みを揃えて能動的に動き出すというそのインパクトは、正直計り知れないものです。宇宙の中でも非常に影響の強い星々が火と風のエレメントのエネルギーを纏い、これほど強く鳴り響くことは、そんなに多い機会ではありません。
キーワードで言えば、火は「生命の衝動と直観と熱」で、風は「精神と情報と媒介」。
この2つの性質が組み合わさるとき、まるで火力発電や風力発電をフル稼働させてぐんぐんと変化を促すエネルギーが生み出されるかの如く、世界が大きく扇動されるように変容し、私たちの心と身体のみならず社会制度などあらゆる「動く部分」を強烈に揺さぶります。
その影響は、この地上に受ける私たちの心と体に共鳴しながらその余波を受けて変容していくことでしょう。(体調でいうと神経系・循環・免疫面にも関わります)
今回はそれぞれの天体の影響に合わせて考察をしてみましたので、長くなりましたがぜひ、最後までご拝読いただけたら幸いです。
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天王星の影響
革命と改革を促して常識の枠組みを振り替えていく天体・天王星がふたご座へ再び歩みを進める動きによって、世界の情報回路と個人の神経系がまるごと組み替えられていきます。
ちなみに双子座は、言語、学び、移動、ネットワーク、コミュニケーション、マルチタスクを司るサイン。運命や人生の可動域をますます広げ、より柔軟で軽やかな生き方へと追い風が吹いていきます。この影響によって、社会と個人の両方に、良くも悪くも予測不能で鮮烈な変化が走ります。
例えばいくつかの選択肢が現れた場合、どちらか1つではなく、迷ったらどちらも。その過程のなかでは見えない足枷を外す鍵を自分で持っていたことに気がつけるようなこともあるでしょう。また、あたり前だと思っていた価値観が急に合わなくなる、コミュニケーションの癖が変わる、いろんな方向に手を伸ばしたくなる、フットワークが広がる、興味・関心の対象が変化する、言葉のセンスや敏感さが一気に研ぎ澄まされる、SNSの質やメディア・発信・情報収集のスタイルが刷新される、違和感のない繋がりの刷新、AIの活用による脳機能の拡張がますます広がっていくこと、などの影響も考えられます。
なかでも特に大きいのは、「自分はこういう人間だ」と強く思い込んできた自己設定が一度ほぐれるということです。固まった思考・言葉・肩書き・アイデンティティをほどき、より軽やかで正直な価値観へと導いていきます。
一方で、体質的には急な変化に対応しきれずに神経過敏のような症状が見えたり、不眠、情報疲れ、呼吸器の弱さなど、思考と神経系の過活動による悪影響が健康に表れるかもしれません。SNS発の世論の傾向、AIの活用と判断に関わること、政治的な情報戦が激化し、事実と感情の境界が揺れる時期とも言えそうです。
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土星と海王星の影響
土星という責任と構造構築を担う星と海王星という境界線の溶解を促す星が、「誕生」「衝動」「火の目覚め」を象徴するサインと言われる牡羊座のもとで再び重なる影響はとても強烈です。混乱の中で新しい秩序の胎動が聞こえてくる、とも言い換えられます。
世界を「大きな身体」という想定で捉えてみると、古い皮膚が剥がれ、柔らかい新しい皮膚が露出しようとしているような状態で、痛みを伴いながらも新しい生命の形が芽吹く前段階。一度取り壊されたところに、土星は新しい骨格の生成を、海王星は夢から覚めた本能的な直観力を目覚めさせる役割を担ってくれ、言うなれば形あるものと形を溶かすものが同時に手を合わせることで「世界の皮膚の張り替え」が始まります。
起こりうる影響としては、全く新しい価値観や仕組みが生まれる、古い制度が一気に崩れ落ちる、境界やルールが曖昧になる、新しいリーダーシップ像が生まれる、世界規模の混乱と再編が同時に進む、など。
この2つの星の共鳴は「混乱を通じた新しい始まり」を世界にも個人にももたらしますが、海外の占星術家たちは皆この影響について非常に危惧しています。もっぱら私もその一人ですが、土星と海王星の重なりが起こる周期は社会構造の混乱に陥るなど希望に満ちたことばかりではないような想定できない混乱が起こってきたことがこれまでの歴史の上に記されているいることと、おひつじ座のもとで重なるということがサイクルの一周とリセットを意味するから。また、土星と海王星が重なった年。日本国内で起こった出来事といえば地下鉄サリン事件が有名です。
健康面では免疫力の揺れ、基礎体力の再構築、霧のような慢性疲労がテーマに。政治面では国際関係の混乱、境界線の曖昧化、秩序の溶解と再編が同時に進み、本質だけが残る健康と政治への移行を意味します。
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冥王星と木星の影響
2026年、なんといっても最大のドラマといえば、水瓶座のエリアを進行する冥王星 と 獅子座のエリアに回帰した木星が正面から対峙すること。
冥王星は2024年11月からすでに水瓶座を進行中ですが、木星は2025年から継続してかに座エリアでの課題を整理しながら進み、7月1日から満を辞してしし座のエリアへと進行します。
冥王星は破壊と再生を促す星。木星は拡大と制裁、才能の育成と祝福をもたらす星。
水瓶座のテーマは未来と自由。
獅子座のテーマは創造と自己表現。
この二つの星が180度の対岸に位置する関係性になるということは、水面下で鍛錬を続けてきた凄腕の役者たちがようやく日の目を見る、または自分自身の本当の役割を受け入れるような熱を帯びた影響をもたらす配置になります。
今の世界は新しい社会モデルへ向かう胎動期。付け焼き刃の応急処置ではなく生き方そのものを変えないと改善しない深層の改革が必要になります。また、自律神経・循環器系の不調が出やすくなるほか、承認欲求の暴走が起こることも。承認欲求は決して悪いものではなく「自分の核へ帰るための羅針盤」のような役割を持っています。「どうしても見てほしい」「私はここにいる」「このままじゃ終わりたくない」その叫びが向かう先は、あなたがどんな世界で生きたいかを示しているからです。
起こりうる影響としては、本音の欲求が暴れ出す、見せたい自分がはっきりする、創造的な衝動が止まらなくなる、影の欲望が浮かび上がり自己理解が深まる、「自分がなりたい自分」を全うしている人をみて羨ましくて仕方なくなる、最悪の場合、嫉妬が激化した誹謗中傷を受けることも。
こんな才能が一体どこで眠っていたのだろう?と驚かれるような、様々な分野でのゴールドラッシュ的人材発掘の出来事も頻発しそう。また、今までスポットライトをあてる側だった人が主役に転じるなど、役割の転換が起こったり、ずっと夢だったことを叶えて自分が輝く人生のステージを自ら作るようなこともありそうです。
政治ではカリスマ性の強いリーダーの台頭、大衆の感情が政治を左右する劇場型の政治が展開され、国家制度の揺らぎ、自由と管理の対立、大衆と権力の衝突が起こりやすくなります。
※サイクルとしては2013〜2014年頃の星回りの時期に蒔いた種の収穫や、その時期に始めた出来事の答え合わせ、成長を喜べそうなことがあります。過去の自分との答え合わせをしてみてください。
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私たちは今、社会も身体も全く誤魔化しが効かない時代に突入してしまいました。
気の合わないもの同士が同じ場所にいれば不協和音が起こってしまうため、離れるか整理するか、本来の正しい形へと戻る制裁を受けるか、それしかないと言う感じ。
天王星が思考と秩序を組み替え、土星と海王星が秩序を組み替えながら新しいはじまりの火を灯し、冥王星と木星が拗れた承認欲求を癒やしでも健康的な創造性を目覚めさせると言う今の星回り。この星々のハーモニーがあなたの中に眠る本当の願いを呼び覚ましていくと、世界は揺れ、身体も揺れ、価値観も揺れます。しかし、その揺れの奥で生まれているものこそがあなたの魂からの叫びなのです。
これによって、世界もあなたの内側も脱皮を迎えます。痛みも混乱も乗り越えた先に、すべてが新しい始まりをむかえるのです。
いまの空気感はインド神話に出てくる「乳海攪拌」の場面にとてもよく似ているなと思いました。
海の底に眠っていた「宝物」を手に入れるために、神々と魔族が力を合わせて、巨大な海をかき混ぜ続ける。
この物語のポイントは、向き合った結果最初に出てくるのが「分かりやすいご褒美」ではない、ということ。かき混ぜた時に真っ先に現れたのは、触れれば世界を壊してしまうほどの「毒」だったからです。
この毒は、私たちのまわりで起きている混乱や、心の中に湧いてくる不安、怒り、迷いも、それとよく似ています。「こんなはずじゃなかった」「見たくなかった」と感じるものほど、先に浮かび上がってくるからです。
しかしそれは、状況が悪くなったからではありません。
ずっと底に沈んでいたもの、見えていなかった汚れがようやく表に出てきただけ。
そして、それは「海」がちゃんとかき混ぜられている証拠、もとい、自分自身や社会が現状改善しなければならない課題・見えてこなかった課題に全力で向き合っている証拠なのです。
「海」と言うモチーフを、潜在意識だとか社会の集合意識・傾向と重ねるとしたら、私たちは「社会と意識全体の膿を出しながら本当の望みを救い出そうとしている」と言う壮大な物語の中を生きているように思えてきます。
ちなみにこの神話では、「毒」をなかったことにしようとした神はいませんでした。それぞれの「毒」を誰かが引き受けることでこれからも世界が続くようにしたのです。
なぜならこの「毒」こそが、自分がますますよくなるための「愛」だと知っていたから。
いまの星回りも同じで「すぐに答えを出すこと」よりも、「逃げずに向き合うこと」「自分の足元を保つこと」が大切な時期。
変化の振り幅が大きいからこそ大変なのはみんな同じ。焦らなくていいし無理に前向きにならなくてもいい。ただし、揺れている最中の自分が壊れないように、呼吸を整えてその都度自分の立ち位置を確かめながら進みましょう。
乳海攪拌の物語では、混乱が続いたあと、ようやく不死の霊薬(アムリタ)が現れます。
アムリタを私なりに説明するならば、削ぎ落とされ、かき混ぜられ、それでも残ったほんとうの生命の感触。自分軸で生きている実感。
私たちは今、一人一人にとってのアムリタを求めて右往左往している状態なのかもしれません。
いまはまだ「海」が濁っていて見えないけれど、この攪拌の先には、アムリタ(然るべき着地)のような結果や「これでよかった」と思える何かが生まれるはず。
溺れながらも向き合っていった先に必ず見えてくることがあるから、もがき悩むことも含めて楽しむこと。すぐに結果を急がなくて大丈夫。今、みんな混乱の中で頑張っているのだ!と言う連帯的な励ましを胸にひとつひとつ乗り越えて生きましょう。
生きるとは、自分の世界の中心に軸を立てること。
あなたの人生の喜びは他の誰でもないあなた自身が選んでいいのだと自分で決めること。
その感情の着地がもたらす結果、正しい自分軸こそが「私たちが求めるアムリタ」なのかもしれません。
この文章を読んでくれた皆さんにとっての2026年が、その希望の光を胸に新しい世界の息吹の中を受け、世の中の激しい動きに巻き込まれすぎることなく、前向きな運びが起こる愛に溢れた一年になりますように。
2025年12月
淡の間
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