A to Z COLUMN   by aynoma 


P 「 PRESENT 



THINGS THAT MATTERのライティング・パートナーである淡の間(あわいのま)が、ブランドの世界観との親和性を構築するキーワードをAからZまで毎月ひとつずつ紐解くコラム。

今月のテーマは、P 「 PRESNT 」 今ここにしかないもの。



「present」という言葉には「現在」という意味と、「贈り物」という意味がある。

さらに “be present” と言えば、「今ここにいる」「存在している」。

現在。存在。そして贈り物。同じひとつの単語の中にこれらが全部入っているのは、なかなか出来すぎていると思う。

時に私は、びっくりするほど「今」を見ていないことがある。

あのときああすればよかった、という過去にいたり、この先どうなるんだろう、という未来にいたりする。人間、先のことが気になりすぎである。

今は “Now”。“Now Here” で、「今、ここ」。ところが文字を繋げてみると “Nowhere”、「どこにもない」になる。今ここ、と、どこにもない。

ほとんど反対のような言葉が、スペースひとつ取っただけで同じ綴りになる。

「今」は、どこにもない。というよりも、「ここ」にしかない。

昨日の中をいくら探してもないし、明日の予定表にもまだない。当然、誰かの人生の中にもない。たった今、自分が見ているもの、聞いているもの、考えていること。自分の中にしか「今」は存在していない。

そう考えると、present が「贈り物」という意味を持っていることの意味が見えてくる。

贈り物というと何か特別なものを想像する。例えば、願いが叶うとか、運命の人に出会うとか、突然人生が動き出すとか。でも実際のところ、人生ってそんな劇的ではないものだ。

それでも、時に、ただの「今日」が未来から振り返った途端、急に特別になる。あの時の「今」のお陰でつながる未来がある。

今、この瞬間が「贈り物です」と言われても、なんだか綺麗事のようだけれど。贈り物と現在が、偶然にも同じ名前で呼ばれているというのはきっと理由があるのだ。

今、目の前にある事象。何度も見る数字、繰り返し出てくる言葉、なぜか気になる人、予定外に起きた出来事。それが何のサインなのかなんてその場では案外わからない。むしろわからないまま通り過ぎて、ずっと後になってから「あれ、ここに繋がってたのか」と気づく。あんなに求めていたはずなのに、それも忘れてしまう。

今は “Now”。今ここは “Now Here”。繋げてしまえば “Nowhere”。どこにもない。

今、この瞬間は、掴んだそばから過去になる。

今と今を、点と点にして繋げていくと現れるもの。贈り物は一瞬だけ現れて、次の瞬間にはもうなくなっている。それを掴むも掴まないも、あなた次第だ。





ABOUT US

OUR STORY

生きることは息をすること。噛んだり浸したり目を細めたりしびれたりすること。ただそこに在るだけの自分の感覚を愛おしいと思えたら、還って、ただ還って、光みたいに透明になれる。

季節の色や手触りは、瞬きした途端しなやかにうつろう。その変化に頬を撫でられているようだと思う。気づいていないだけで、もしかしたらわたしたちも毎秒生まれ変わっているのかもしれない。

閃いたと思ったら甘い余韻を残して消えていく、それを追いかけていった先に何があるのだろう? そして、その“感覚のカケラ”に触れ、纏うあなたは何を感じるのだろう? 知りたいという願いは、涙が出る寸前の喉の痛みに似ている。

今この瞬間も、見つけてもらえることを願って切なく吐息を震わせているほんとうのあなたへ。この宇宙のどこかで、いつか出会える日を願って。


OUR BELIEF

“わたし” はなにを求めているのだろう──

混沌としたこの世界で大切にしなければならないのは、本当は、その問いであるはず。自分を静かに見つめてはじめて、感情は豊かに色づく。そして体の感覚がゆっくりと呼び覚まされ、空の色、空気のにおいのわずかな変化も心に響くようになる。わたしも、ともに社会に生きる人も、動物も草も海も森も、宇宙の一部。この星を巡るすべての ものと愛を通じて一体となることは、感謝に満ち溢れたとほうもなく美しい体験だ。

そこに在る何かを感じて自分の内側を見つめる、そのきっかけを多くの人に届けられたら。生きるということはあまりにも深く、あまりにも複雑な冒険だから、一緒に答えを見つけていきたい。一人ひとりの魂が満たされて、よどみなく流れる水のように循環していくとき、社会も自然も、きっとあるべき姿に戻っていくと、わたしたちはそう強く信じています。


MATTER

混沌としたこの世界で今、わたしたちが大切にしなければならないものとは何か。一人ひとりが、社会が、自然が、元のあるべき姿にゆっくりと戻っていくために。ディレクターが気になっていること、学びたいこと、深掘りしたいこと=MATTER。

お客様と共に学び・感じ・考えるきっかけとなるようなコンテンツ(記事・インタビュー)を、WEB限定のオリジナルコンテンツとしてお届けしています。