A to Z COLUMN   by aynoma 


I 「Inner child



THINGS THAT MATTERのライティング・パートナーである淡の間(あわいのま)が、ブランドの世界観との親和性を構築するキーワードをAからZまで毎月ひとつずつ紐解くコラム。

今月のテーマは、I「Inner child」。




インナーチャイルド、ちいさな私(あなた)。

また、別の言い方をするならば、インナーチャイルドの正体とは「記憶」。

過去に閉じ込められた幼い存在にとどまらず、今も私たちの内側で静かに呼吸を続けているもの。心の奥にある”あかずの扉”の向こう側にあるその記憶は、ときどき理由の分からない痛みや不安として立ち上がってきます。

人は最初に体験した出来事を無意識のうちに ”世界の前提” として受け取ります。

ちいさな私(あなた)が言葉を持つ前に感じた世界、ものごとを理解する前に受け取ってしまった感情。安心と不安、愛と痛みを分けられずに混ざり合ってしまった頃の感覚がそのままの形で残っています。

はじめて触れた温度、はじめて向けられた眼差し、はじめて感じた拒絶や承認。

それらは ”愛の元型 “ として心に刻まれます。

 ”愛の元型 “ とは、あなたにとっての最初の体験、もとい言葉になる前の記憶。それは形を変えながら何度も人生の中に現れます。似たような関係、似た距離感、似た期待と失望。違う人、違う場面のはずなのに、いつまでたっても同じよう心が痛みに反応してしまう。

理由もなく心がしくしくと痛むとき。胸がざわつき、呼吸が浅くなるとき。大丈夫だと分かっているのになぜか涙がにじむ。怖い、不安、寂しい。その瞬間、インナーチャイルドは心の奥の扉の向こう側で声を上げています。

インナーチャイルドは正解を知りません。

分かりやすい答えを求めていないし、反省や改善や分析を望んでいるわけでもありません。

ただ安心したいだけ、自分の存在を認めてほしいだけ。

「あなたがあなたのままでいい」と丸ごと受け入れてもらえたらそれだけで幸せです。

それなのに、インナーチャイルドは、錯覚を起こしている愛の元型をもとにものごとを判断してしまうから、時折選択の間違いを起こします。

「また傷つくかもしれない」「私が悪いのかもしれない」「愛されるには我慢が必要だ」

愛に近づけば近づくほど、怖れが先に出てしまい手を伸ばせなくなってしまう。それだけではなく、あたたかな理想の形から遠ざかろうとすることもあります。

なぜなら「愛」が怖いからです。傷つきたくないからです。

それらは思考というより身体に染み付いた反射に近いものだから理屈だけではほどくことができません。

どうしたら「愛」を受け入れられるか、正しく手を伸ばせるか。

そのためには錯覚してしまった拗れた愛の体験を「さらに大きな愛」で上書きしてあげなければなりません。

インナーチャイルドは、小さな私(あなた)は、心の奥にある扉の向こう側で小さく縮こまっている記憶のかけら。

ずっと記憶の上書きを、そして無償の愛を待っています。

「ここにいたね」と見つけてもらえる瞬間を静かに待ち続けています。

なるべく早く気がついてあげてください。あなたの心の奥の小さな自分に。


「いままで気づかなくてごめんね」
「大好きだよ、そのままのあなたでいいよ」
「愛してるよ」


声をかけるほどに記憶の上書きがされていきます。
気が済むまで、小さな自分に言葉をかけてあげてください。
その上書きがされた時、あなたはずっと求めていた本当の愛に出会い、その大きな愛をおそれることなく受け入れられるでしょう。

ABOUT US

OUR STORY

生きることは息をすること。噛んだり浸したり目を細めたりしびれたりすること。ただそこに在るだけの自分の感覚を愛おしいと思えたら、還って、ただ還って、光みたいに透明になれる。

季節の色や手触りは、瞬きした途端しなやかにうつろう。その変化に頬を撫でられているようだと思う。気づいていないだけで、もしかしたらわたしたちも毎秒生まれ変わっているのかもしれない。

閃いたと思ったら甘い余韻を残して消えていく、それを追いかけていった先に何があるのだろう? そして、その“感覚のカケラ”に触れ、纏うあなたは何を感じるのだろう? 知りたいという願いは、涙が出る寸前の喉の痛みに似ている。

今この瞬間も、見つけてもらえることを願って切なく吐息を震わせているほんとうのあなたへ。この宇宙のどこかで、いつか出会える日を願って。


OUR BELIEF

“わたし” はなにを求めているのだろう──

混沌としたこの世界で大切にしなければならないのは、本当は、その問いであるはず。自分を静かに見つめてはじめて、感情は豊かに色づく。そして体の感覚がゆっくりと呼び覚まされ、空の色、空気のにおいのわずかな変化も心に響くようになる。わたしも、ともに社会に生きる人も、動物も草も海も森も、宇宙の一部。この星を巡るすべての ものと愛を通じて一体となることは、感謝に満ち溢れたとほうもなく美しい体験だ。

そこに在る何かを感じて自分の内側を見つめる、そのきっかけを多くの人に届けられたら。生きるということはあまりにも深く、あまりにも複雑な冒険だから、一緒に答えを見つけていきたい。一人ひとりの魂が満たされて、よどみなく流れる水のように循環していくとき、社会も自然も、きっとあるべき姿に戻っていくと、わたしたちはそう強く信じています。


MATTER

混沌としたこの世界で今、わたしたちが大切にしなければならないものとは何か。一人ひとりが、社会が、自然が、元のあるべき姿にゆっくりと戻っていくために。ディレクターが気になっていること、学びたいこと、深掘りしたいこと=MATTER。

お客様と共に学び・感じ・考えるきっかけとなるようなコンテンツ(記事・インタビュー)を、WEB限定のオリジナルコンテンツとしてお届けしています。