VENUS

SENSE
13_
VENUS

SENSE 13_VENUS
金星

太陽系で月に次いで地球に近く、明の明星/ 宵の明星と呼ばれる眩い光とともに姿を見せる魅惑の惑星・金星。その公転周期の軌道は花びら模様の曼荼羅を描くように一定の周期で移ろいます。

神話の世界における女神(Venus)の名を冠する天体の地形には、ギリシャ神話のアルテミス、ローマ神話のディアナ、バビロニア神話のイシュタル、インド神話のラクシュミー、日本神話の瀬織津姫など世界各国の神話における有名な女性神の名が付けられています。それぞれの名は違えども世界中に伝わる「女神」の物語は、母性や女体の神秘、世界の喜び、儚さ、創造性、生きる幸せと結びつく守り神として崇拝の対象とされてきました。

古来日本・縄文時代に作られた土偶の形状は、女体を模したたおやかな曲線が象られています。ルネッサンス期の絵画 ボッティチェリの“ヴィーナス“は海の泡から生まれた女神の画。
見るものの美的感覚や女性性への崇拝の象徴を描いた有名な作品であり、いずれも自然=多産の象徴としてのモチーフや官能性や神秘性、豊穣、多産性の象徴などが表現されています。

金星が私たちへ訴えかけるもの。
統一化された美への憧れ、神話的元型による女神性に対する畏怖の念、一番星のような刹那的な美、母体の神秘性など、あらゆる美の元型を投影し、見るものの内なる神話を呼び起こすのでしょう。