SENSE
10_
Dialog
SENSE 10_Dialog
生きている、今
瞼の向こうの世界を感じて
いのちを辿って
わたしの身体すべてを使って
心の眼で描く
すぐに消えてしまう
あの熱い光の粒をなんと呼ぶのか
泣きたくなるような懐かしい煙たさと
パチパチと弾け飛ぶ音
じゅうっと、
いのちが地面に落ちるような匂いがして
ほうぼうから聞こえる人々の声
この懐かしい香りを記憶に染みつける
ぬるく儚い夜のことをいつまでも忘れないように
焼けつくように消えた熱い光の粒たちは
どこへ行ってしまったのだろう
そういえば、遠い昔にもあの光に触れたことがある
全身で夏の風に触れた時、
そのことをふと思い出した