SENSE
08_
BODY TRIP
SENSE 08_BODY TRIP
四肢が身体の中に沈んでゆく。
薄霧で目の前が霞んでいる。
一瞬が永遠に感じるこの暗闇を
虚ろなまま、ただひたすら歩みを進める。
ふと足が止まり、対角線上に何かを見つけた。
瞬きを忘れて暫く見つめ、
ぼやけていた形の輪郭と色の鮮やかさを捉えた時、ようやく理解したのだ。
目の前に在るこれは、私を見つめている私だと。
私はずっと探していたのではなくて、探されていたのだと。
ゆっくりと近づき、不安そうな双眸に優しく微笑みかける。
離れないでと言われているようだ。
大丈夫、私は、終わりと始まりが同時にやってくるということに気がついた。
だから、君も安心して。
覆い被さってくる光の中に飛び込む。
出逢っては別れるを繰り返し、
君と私が「ひとつ」になるのが運命とわかるまで
この旅が終わり、始まるまで、あと___