TTM対話録 #01
杉谷惠美さん <前編>

2021.11.26
TTM対話録 #01<br>杉谷惠美さん <前編>

 

【「環境課題の解決=ものを買わなければいい」なの?】

 

 

 「私は人間が生きていく上で大切なことにようやく気づき始めた」と語る、THINGS THAT MATTERディレクターの武笠綾子。「その先の感覚を纏う」をキーワードに新しいファッションを提案する。

THINGS THAT MATTERのスタートを飾る10月の「SENSE」では、杉谷惠美さんがプロデュースするCBDブランド「CBDAYS MOMENT」とコラボレーションを行なった。

植物の力に魅せられ、日本のオーガニック市場を切り開いてきた杉谷惠美さんに武笠が学んだこととは?2人の対談で、双方のブランドの共通点や、大切にしている想いを探る。

◆ゲスト: 杉谷惠美さん(ビーバイ・イー株式会社代表取締役社長/ CBDAYSプロデューサー)

◆聞き手:武笠綾子(THINGS THAT MATTER ディレクター)

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武笠:CBDAYS MOMENTさんのロールオンオイルをこめかみに塗ったり、バームでヘッドマッサージをしたりすると、とても気持ちがいいんです。愛用させていただいてます。

杉谷:ありがとうございます!CBDは自律神経や免疫などで、不自然に高くなってしまっているものを低くして、低くなってしまっているものを上げてくれます。

提供:CBDAYS MOMENT

 

もしかしたら日本だとまだ「大麻」というキーワードを思い浮かべる方も多いのかもしれないですね。

CBDはヘンプ(大麻草)由来ですが、規制対象となっている「THC」を含有しないもの。ヘンプの葉や花から採取する「THC」と違って、茎や種から取るのがCBDです。アメリカだと7人に1人は使っているとも言われています。

武笠:「上げる」効果もあるんですね。CBDは「下げる」「リラックス」というイメージがありました。

杉谷:不眠の人が眠れるようになったりと、神経を落ち着かせる作用は十分にあります。でも朝にCBDを摂取するという人もけっこういて、「眠くなっちゃうんじゃないの?」と疑問が湧くかもしれないんですが、逆に元気になれるんです。相反するように聞こえるかもしれないけれど、成分の働きとしては同じもの。自律神経を、自分のちょうど良いバランスに整えてくれるということです。

武笠:仕事でずっと頭が動いていて、子育てもあってバタバタしてしまうんですが、これで自分と向き合う時間をつくるきっかけにもなっています。

 

杉谷:落ち着きますよね。偏頭痛持ちの人はこめかみにくるくるすると痛みが引いたり、虫に刺されて痒いときに患部に塗ると落ち着いたりします。かなり万能なんです。

武笠:CBD に対する誤解があるのはもったいないですね。

杉谷:私がオーガニック認証にこだわったのは、そこも大きな理由です。CBDAYS MOMENTは、食品は日本の有機JAS格付け、化粧品はコスモス認証を取得しています。コスモス認証は世界的なオーガニック認証でとても審査が厳しく、これを取得したのはCBD製品では(こちらで調査した限り)世界初です。

これらがお客様にとって安心・安全の証になれば良いなと思っていて、認証を取得することができたから発売することにした、という経緯がありました。

 

提供:CBDAYS MOMENT

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武笠:杉谷さんが昔、出版のお仕事をされていて、働きすぎて体調を崩されたというエピソードを拝見しました。

杉谷:そうなんです、それで植物療法の世界に入りました。植物のことがもっと知りたい、と思って。

武笠:私も、とにかくこれまで突っ走って仕事をしてきたんです。子育てにも追われていて。でも、コロナ禍で自分と向き合う時間ができたことで、雨の日の香りだったり、空の色だったり、たくさんの素晴らしいものを見落としていたかも、と気づいたんです。

THINGS THAT MATTER」でも、ちょうど、植物で染めたオーガニック素材の布ナプキンやアンダーウェア、パジャマをつくろうと思っているところなんです。女性の体のとても繊細な部分だからこそ、植物の放っているエネルギーを感じてほしいと思っていて。

杉谷:すごく素敵ですね!おしゃれ。

環境に配慮しながら 、かつ 、スタイリッシュ であることを両立し ている ブランドは、まだ数が少ないのが現状だと思ます。 うちで働く若い女性のスタッフが、 自然派思考になっていたときに、ア ンダーウェなど でなか素敵ものが無いと言ってて。

 

武笠:そうですよね、めっちゃわかります。

杉谷:環境などの社会課題って、高らかに声にするというよりも、みなさんが自然に身につけているような状態になれたら良いなと思います。 

タッチポイントが増えるというのはとても大切なことなので、武笠さんのブランドを通じて幅広い人たちに届くことを考えるとワクワクしますね。 

オーガニックのブランドについて考えるときに、全てを環境課題の解決に振り切りすぎると、じゃあものを買わなきゃ良い、自給自足をすればいい、おしゃれをしなければいい、という話になってきちゃうじゃないですか。だから、半分でも8割でも、自分ができることをやっていく姿勢が大事なんじゃないかと思っています。

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杉谷:私はお肉を食べないんですけど、でも、お肉を食べないことを推奨しているわけではなくて、自分にとって心地がいいからそうしている。お肉を食べたい人は食べた方がいい。

全てにおいて言えますが、自分が「気持ちいい」と感じながらできることが大切で、そこに我慢や犠牲が伴うんだったら、一切やるべきじゃないと私は思っています。社会課題はしかめ面をして伝えるようなことじゃなくて、ハッピーな提案をしていく必要がありますよね。

武笠:ファッションにおいても、完全にサステナブルな社会を目指そうとしたら、お洋服をこれから新しくつくること自体……という話になってしまうと思うんです。でも、それは違うなぁと思っていて。

 

 

杉谷:そうですよね、「楽しみ」ですものね。

武笠:私は小学校1年生くらいの時からずっとデザイナーになりたいと思っていて、今でも服をつくることは自分にとっての喜びです。

THINGS THAT MATTERでも、お客様自身が「気持ちいい」と感じることにもっと素直になれるような提案をしたいと思っています。

その中で、廃棄をなくすために受注生産にしたり、なるべくエコ素材を利用したり、地域の伝統や技術を取り入れたり、というアウトプットにも結びついてくると考えています。

◆杉谷惠美さん/ プロフィール

ビーバイ・イー株式会社代表取締役社長。24歳で、子宮内膜症と成人性アトピーと診断され、その後植物療法を学ぶ。その後、オーガニックスパサロン「シンシア・ガーデン」をオープン、「ママバター」「リンレン」「ネロリラボタニカ」など数多くのオーガニック&ナチュラル製品を開発。2020年にスタートした「CBDAYS MOMENT」では柴田陽子氏とともにプロデューサーを務める。

>>>後編「自然の循環、経済の循環、自分の体の循環に、境目はない。」はこちら

<クレジット・写真>

Portrait : Kaori Nishida

ほか、CBDAYS MOMENT提供

 

 

 

 

※CBDドロップオイルとCBDロールオンオイルにつきましては、ECサイトでのお取り扱いではなく、POPUPやFITTING DAYでのお取り扱いとなりますため、開催の際はぜひお立ち寄りください。

 

 

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