1858

SENSE
04_
1858

SENSE 04_1858

音とにおいと空気を食べて生きれば、人は万華鏡になれると言われています。

時の砂つぶがひとつひとつ光ってる、光ってるんだわたしたちも光ってる。

わたしの両腕はいつの日か黄金を抱く。

雲は轟々と流れ花びらは波飛沫のように散る。
水がしたたるみたいな草いきれに目を閉じて、18時58分のまどろみに揺蕩う。
長雨の中でさびしく鳴くあの鳥はたぶんつがいを探してる。
乾いた風の音を聞けば、東の星座がいたずらをするみたいに雪をつれてくる。

いつかという日は永遠にこない。だからまぶたの裏に見える光だけがいつかという銀河だ。

今を感じてほつれる、わたしは天国みたいにグレー。
いつかを思って魂をにおい立たせる、わたしは水彩みたいなイエロー。

あなたに聞こえる色はなんだろう。
あなたに見える音はなんだろう。